2014/9/18

散歩をしていると、いつも気になることがある。細かいことだが、民家の出窓などに置いてあるぬいぐるみの「向き」だ。

内側に向けておいてあるのは何となくわかる。お気に入りのぬいぐるみを、常に自分から見えるようにしたいのだろう。飾り棚などの上に置くのと同じ気持ちと思われる。

しかし、ここは棚ではなく窓である、ということが事態を複雑にする。

棚ならば後ろは壁だから、反対側に向けるというのは呪いの鏡か別れた恋人の写真が入ったフォトフレームぐらいのものだろう。窓とは即ち外界との境界である。壁と違って、「向こう側」への意識が生まれるわけだ。そこでぬいぐるみを持ってきた人はハタと立ち止まって考える。どちらにむけて置くべきだろうか?と。

推測だが、外側を向けて置く理由には大きくふたつのパターンがある気がする。

ひとつは、ぬいぐるみに外をみせてあげたいという心理。自分で動くことのできないぬいぐるみ、せめて外をみていたほうが退屈しないのではないかというやさしさか。

もうひとつは、外の人にぬいぐるみをみせてあげたいという心理。歩いているときにかわいいぬいぐるみがお外をみてたらほっこりするでしょう、という心づかいか。余計なお世話だ。

いずれにしろ私が外向け派の真意をはかりかねるのは、ぬいぐるみが常に自分におしりを向けているのは気にならないかということだ。そう考えるのは私が自己中心的な人間だからで、他の人を優先して考える人は気にしないのだろうか。

散歩のたびに考える問題だが、未だ結論には達していない。