2017/02/05 ラスコー展に行ってきた。

上野の国立科学博物館で開催中の「ラスコー展」に行ってきた。

誰もが知っている世界遺産、フランスはラスコーにある洞窟壁画の絵としての素晴らしさは言わずもがなだが(っていうか2万年前のクロマニヨン人の方が私よりはるかにうまい…)、個人的にはレーザースキャンや3Dプリントといった最新のデジタル技術を用いて実物大に複製して展示するという趣向そのものにそそられた。

ラスコーにある実際の壁画は、保存のため現在は立ち入ることができないが、それがそっくりそのまま目の前にある。どこでもドア、自分がくぐるんじゃなくて、対象物が向こうからくぐってくる形で実現したか、という気分である。

今まではアナログをデジタル化といっても、結局は画面の向こう側じゃん!的なところがあったが、それがもう一度アナログに落ちてくるとなると、視覚偏重の状態から肉体がもつ五感のインタフェースがフルに使える感じがしておもしろい。

また、その過程で情報のレイヤーを付け加えるなんてこともできるわけで、今回の展示では「線刻」(彫られた輪郭線)を光で浮かび上がらせる、という演出がされていた。となると、画面を見るのでもない、実物を見るのではない、また違った「第三の経験」になっているわけだ。

文房具を扱っていると、人間の能力を発揮するにはやはりアナログ感というか、肉体というハードにあったインタフェースが必要だよなと思うことが多いのだけれど、それに今後どうやってデジタルのレイヤーがかぶさってくるのかなぁ、なんてことを考えさせられる展示だった。

展示期間は2月19日まで。ご興味のある方は是非。壁画以外にもクロマニヨン人の当時の暮らしぶりとか、いろいろ見所があっておもしろかったです。