私は基本的に、飲み物を飲むのが極端に遅い。せっかく熱いコーヒーをいれても、普通のマグカップだと飲み終わる前に確実に冷めてしまうので、断熱性の高いカップが欠かせない。

つい最近までは、以前にもこのブログで紹介したタイガー魔法瓶の「デスクマグ」を愛用していたのだが、愛用しすぎたために傷みや汚れが目立つようになってきた。買い直そうかと調べたら、残念ながらすでに廃番。探せばお店によってはまだ入手できそうではあったけれど、生来の新しいモノ好き(飽きっぽいともいう)な性格もあり、どうせなら違うモノはないのかな?と探してみることにした。

私が普段使いのマグカップに求める条件は、大きくいうと「断熱性が高い」と「洗いやすい」のふたつ。

このうち、「断熱性が高い」はさほど難しい条件ではない。一般的な真空二重構造で、ステンレス製のドリンクボトルやカップであれば、性能としては充分だ。しかし、問題はこれが「洗いやすさ」となかなか両立しないことである。

たいていこの手のボトルは、断熱性を維持するためもあるだろうが、密閉性が高い。つまりは、フタにパッキンやらなにやらがいっぱいついていることになる。加えてフタをつけたまま飲めるタイプのものは、フタの構造が複雑になりがち。たまに使うぶんにはいいけれど、毎日となると洗って乾かすのは面倒だ。

もちろん、カバンに入れて持ち運ぶ、外で立ったり歩いたりしながら飲むのであれば、いずれも必要な仕様だが、私は家でしか使わないので、密閉性はそこそこでいいから洗いやすいものが欲しいのだ。のっけるだけのフタだった「デスクマグ」は、とにかくそこが気に入っていた。

そんなわけで、無いな〜無いな〜なんて言いつつ、本気で探せばあるもので、今回たどり着いたのは、MiiR(ミアー)の「キャンプカップ」という製品である。

見た目はシンプルで、かなり大きめだが普通のマグカップ、という印象。ホントに真空二重構造?と疑いたくなるほどの薄さだけど、断熱性は充分。たっぷり飲み物を入れても、飲み終わるまでしっかり温かい。冷たいものを入れても最後まで氷が溶けないし、外側が結露しないのもこの時期としてはありがたい。

フタは「デスクマグ」と異なり、飲み口になる穴が開いていて、つけたまま飲むタイプ。そのため、パッキンがついており、洗う手間が若干増えるのはマイナスポイントだが、輪ゴム状のものがひとつだけなので、飲むたびにフタを開けなくていい(あとそれによってフタについた水滴が垂れるのを気にしなくていい)というメリットと相殺されて、プラスマイナスでいえばややプラスという感じ。

個人的には、「デスクマグ」を使っていたときには「もう少したっぷり入るといいな」と思っていたので、容量が大幅に増えたのもプラス(最大で354ml入る)。だがこれはこれで大きすぎ、と感じる人もいそうなので、この辺りになると好みの問題だろう。

またMiiR製品が特徴的なのは、売上の一部が「交通移動手段、教育、清潔な水が容易に手に入らない地域とその人々への手助け」に使われる、というところ。製品に付属するトラッキングコードをサイトに打ち込めば、自分の購買がなんのプロジェクトに使われたのか確認することもできる。

その考え方もおもしろいが、理念に共感した他の企業がMiiR製品のオリジナルデザインを作って販売しており、その中から好みの柄を選べるのが消費者としては理屈抜きに嬉しいところ。私はイラストが気に入ったのでパタゴニア版を使っているが、他にもサードウェーブ系のコーヒーショップ等で取り扱いがあるようだ。

値段は普通のマグカップを買うよりは当然高くなるが、文字通り毎日使うものなので、機能的にも見た目的にも納得のものが手に入って個人的には満足だ。私はインドア派ではあるけれど、「キャンプカップ」という商品名が示すように、寒い屋外で温かい飲み物をゆっくり楽しめるので、アウトドア派の人にもおススメなんじゃないかと思う。