2016/03/25
近頃、ふと気をぬくと全身ユニクロ、みたいなことがよくある。
お若い方はご存じないかもしれないが、昔のユニクロはぜんぜん今のような感じではなく、「理由を問わずに返品交換いたします」をキャッチコピーに、関西弁のおばちゃんがレジで「ニイちゃん、これちょっと替えて」と言いながら着ている服を次々と脱ぎすて、最終的に下着姿になって売り場に消えていくという大変お茶の間の空気に悪いCMをバンバン流すような企業だったのだ。
しかしそこからフリースでヒットを飛ばし、かつては着古した土産物のTシャツや中学時代のジャージが跋扈していた「部屋着市場」というものを新たに開拓&席巻、そこからヒートテックをはじめとする繊維メーカーとコラボした低価格でありながら機能性の高い製品の開発でホームランを連発し今の地位を築いた、というのが私の個人的な印象だ。
企業としてはいろいろ言われることもあるけれど、「安いけどダサい」という初期のイメージをここまでくつがえしたのはなんだかんだいってすごいと思う。
今のデザインも、コーディネートの主役を張るほどにエッジが効いているわけではないのだが、たぶんそれが良いのだろう。Tシャツに気合を入れたら、その下に着るカットソーはむしろなんでもないヤツの方がいいのだ。
つまりユニクロの服は、部品的に使用でき、コーディネートのスキマを埋めるのにちょうどよく、それ故に私のタンスの中身を次々と侵略しているのである。
と、理屈をつけて自分を納得させてみようとしたけれど、やっぱり全身ユニクロ状態はなんとなくダメなような気がするので、週末は春物の服でも買いに行きましょうかね…。