特別な日だから特別なことをするのか、特別なことをするから特別な日だと感じるのか、どちらが先かはわからないけれど、両方が結びつき補強しあった結果生じるのが「風習」というものかもしれない。
便宜上決められたカレンダーの日付のひとつに過ぎない、という人もいるけれど、大抵の日本人にとって「正月」は一年の中でも特別な期間だろう。それ故に、風習の宝庫であるともいえる。
そんなことを思ったのは、大晦日の夕方に夫が「お風呂沸かす?」と聞いてきたからだ。いつもは晩ご飯の後、寝る前に入るので「早くない?」と言ったところ、彼の実家では大晦日の日だけは晩ご飯前に家族全員がお風呂を済ませなければいけない、という風習があったとのこと。自分の家にはなかった風習なので、「なるほどそういうのもあるのか」と思った。
ヨシムラ家では大晦日の風習は蕎麦を食べるくらいしかなかったけれど、元日は色々あった。まず家族揃って食卓につく。お正月専用のお箸でおせちを頂く。お餅の数を各自申告して、お雑煮を食べる。今年一年の目標を発表し、目標として承認されるとお年玉をもらえる。その後、鎌倉(実家の最寄り駅から数駅)のいつものお寺に初詣に行く。
独身でひとり暮らしをしていた頃は原則として実家の風習に従っていたのだが、今年は結婚して初めての正月なので、こうして新たな風習とあいまみえることになる。
とりあえず、大晦日の風呂はいつもと同じ時間に入った。お正月飾りは玄関だけした。晩ご飯に蕎麦は食べた。夫とふたりで家から歩いて10分ぐらいの大きめのお寺に初詣に行って、どっちの実家のものでもないが自分が食べたいと思う感じの雑煮を作って食べた。おせちは特に食べたいものでもないので作らなかったが、夫の好物らしいマグロの刺身は用意した。
結婚とは、こうして風習と風習が出会って新たな風習が生まれることでもあるんだな、なんてことをぼんやりと考えている。
あとこれは実家のでもなく自分だけの風習だが、新年を迎える瞬間は新品の下着で、という験担ぎをいつからだか覚えていないぐらいずっとやっているので、今回もやった。それと、実家を出て独立してからは誰に聞かれるということもないのだけれど、今年一年の目標を立てるのは続いているし、これからも続けたい。
そんな感じで怒涛の2019年が終わって、ようやく生活も少し落ち着いてきたので、またこのブログでも思いついたことをぽちぽち書いていきたいと思う。皆さまにとって健康で実り多い一年になりますように。今年もよろしくお願いします。